シンガポール英語『シングリッシュ』の特徴を解説。

 

東南アジアの人気の観光地の一つシンガポール。
公用語の一つに英語が採用されており、国民の多くが英語を喋ることができ、多民族で移民の多い国でもあります。
しかし、実際にシンガポールに住んでみたり、旅行に行ってみたりすると現地人の英語が全く聞き取れなかったりすることもよくあります。
『シングリッシュ』と呼ばれる言い回しやイントネーション、発音が独特の英語なのですが、多民族国家ならではのマレー語や中国語が混ざり出来上がった英語と言われています。
実際、シングリッシュに戸惑う人も多いのですが、ポイントさえつかめば、わかりやすい英語なので今回はシングリッシュの攻略のコツを紹介していきます。

語尾につくla, ma, me

ほぼ全ての会話にこの「Lah(ラー)」「Lor(ロー)」「 Meh(メー)」の語尾がくっついてきます。
これはもともと中国語の「了」が由来とされているようです。なので、シングリッシュを理解する際はこの特徴的な語尾を気にしないことが重要です。

例文として、以下のような会話になります。

‘Should I visit your house until 6pm?’
-6時までに家にあなたの家に行った方がいいですか?

‘Yes lah. I have another appointment at 7mp.’
-そうだね。 午後7時に別の約束があるから。

「lah」「leh」 (「~だよ」「~さ」のようなニュアンス)
「me?」(「~か?」のようなニュアンス)

主語,to、be動詞は省略される 動詞は原型しか使わない。

動詞はほぼほぼ原型しか使わず、日本人の英語初心者でもよく間違えてしまう三人称単数のSも全く使いません。
また時制の過去形を使わない人も多く、以下のようにYesterdayなどをつけて時間を表現したりします。
I buy this smartphone yesterday.(私はこのスマホを昨日買いました)

時制を最後のYesterdayで説明する部分は時制のないマレー語の影響を受けているのかもしれません。

また、省略されるto、be動詞は以下のような形になります。
want this?(これが欲しいの?) → You want this の 主語Youが省略されています。
Don’t angry(怒るなよ)→ 正しくは Don’t be angry ですが、be動詞が省略されています。

文法は省略、語順はバラバラ

シングリッシュは文法を省略または無視した表現がとても多いです。
例文
Where do you go? → シングリッシュ you go where?(どこへ行く?)
Which one do you want to have? → シングリッシュ You want which one?(どれが欲しいの?)
I don’t need → シングリッシュ No need!(いらない)

むしろ英語初心者の日本人はシングリッシュのような、シンプルな言い回しを最初は使った方がいいような気がします。
文法を気にしていては、なかなか言葉が出てきませんから。

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can(キャン)

英語で「~できる」という意味の助動詞Canですが、シングリッシュでは非常に便利な言葉です。
英語では助動詞なので、Can単体で使うことはなく、I can do it(できます)や Can I have your name?(名前を教えてもらえますか?)などのような使い方をします。
しかし、シンガポールのシングリッシュではCanを単体で使うことが頻繁にあります。

例文
Can?(できますか?)
Can!(できますよ!)

付加疑問文は文末に「right?」だけ

英語で言うdon’t you?やaren’t you のような「~ですよね?」と相手に同意を求めたりする時や確認する時に使われる付加疑問文。
シングリッシュでは「right?」「ライッ?」をつけるだけになります。
または、「is it?」「イジッ?」の形が使われます。

まとめ

今回は比較的よく使われる有名なシングリッシュを紹介しました。
他にも色々な言い回しがあるので、気になる方は個人的に調べてください。
よくひどい英語と揶揄されるシングリッシュですが、非ネイティブである日本人もシンガポール人の英語の使い方は参考にしたほうがいいかもしれません。
インド英語もそうなのですが、自分たちが使いやすいような形に英語を独自に作っていくというのは、非常に素晴らしいことだと思います。