2018年5月に技能実習制度の追加職種として「宿泊業」を検討しているとの記事がでました。
同じ接客業のコンビニに関してもすでに議論がされており、慢性的な人手不足に陥っている日本の接客業やサービス業に技能実習生が大量にやってくる日は近いかもしれません。
またこの職種は母国に帰っても非常に需要のある職業で、ホテルや旅館で接客をするというイメージもよく技能実習制度の人気職種になる可能性も秘めていると私は思います。
ホテル関係での技能実習制職種といえば、先日ビルクリーニング業種に「ベットメイキング」が追加されていました。この追加に関しても少し驚きましたが、「宿泊業」の中にも作業として「ベットメイキング」を組み込むのかどうかは分かりません。
ホテル自身がベットメイキングを自前で雇ってる場合と外部から委託する場合があるのでしょうね。
気になる「宿泊業」の概要
まだ検討段階ということで、概要についてはまだ発表されていませんが、(発表されたらまとめようと思います)気になるの日本語の条件です。
同じ人と接する仕事の介護の場合、入国時には日本語能力試験N4、2年目更新時にはN3の合格が必要になります。ただし、宿泊業の場合この日本語要件は必要ないのではないかとも言われています。
現在進行形で増加中のアジアからの訪日観光客に対応する為という名目で、この検討を進めているようなので、技能実習生は外国人専門の対応となるかもしれません。
そうなるとこの職種の技能実習生では中国からの技能実習生が大きく数を占めるでしょう。
業務の内容に関しても、まだ公にはされていませんが、ネットやニュースなどの情報では予想されるところでは以下の業務が割り当てらる可能性が高いです。
・宴会場の準備、仲居さんの補助作業
・母国観光客への対応や通訳
・フロント、客室への案内
・客室準備、清掃、ベッドメイキング
・館内レストランでのウェイター、ウェイトレス
・館内保守、清掃
慢性的な人手不足の業界
2020年に東京オリンピックが決まり、また近隣アジア諸国の訪日ビザが緩和されたこともあり、外国人観光客がすごい勢いで増加しています。その中で、ホテルは増え続ける需要に対して、人員が追いついておらず現場は異常な人手不足に陥っているといいます。
原因としては、この増え続ける需要にも関わらず、ホテル・宿泊業界の離職率は非常に高くなっていることです。勤務体系や労働環境(賃金等)で若者はこの業界を敬遠しています。
また、入社してもすぐやめる人が非常に多いそうです。
上記の表を見ても分かるように「宿泊・飲食サービス業」の離職率(緑の線)は他の産業を圧倒しています。そして面白いのは白い線の入職率の他の産業よりはるかに多く、離職率を上回っています。
この表を見る限り、入職率が離職率を上回っている為人員的には変動はないようですが、人の入れ替わりが非常に激しいことが分かります。この定着率の低さが原因で新入社員の教育コストや業務に慣れた社員が少ないことで既存社員に大きく負担がかかります。これも離職率の高い原因の一つです。
非常に悪循環になっています。
その他にも「変則的なシフト」や「休日の少なさ」など現代の日本人が敬遠する要素が盛り沢山なのが、ホテル・宿泊業の現状です。
まとめ
今回の「宿泊業」の追加検討のニュースですが、この職種で本来の実習目的(日本の技術を母国に持って帰る)が果たせるならば非常に良い職種の追加だと思います。
実際ホテルには外国人(主にアジア)に対応できるスタッフが少ないとこもあり、さらに実習生にとっては日本の高いレベルの接客業が学べます。また帰国後も、母国のホテルで働くことができます。
東南アジアの日本人が宿泊するようなレベルの高いホテルに就職することも可能になるかもしれません。まだ検討段階でこの職種が追加されるかどうかは不明ですが、追加されれば人気職種になる可能性は大いにあると思います。