フィリピンといえば東南アジア最大キリスト教国ですが、今回はフィリピンのムスリム(イスラム教徒)についてご紹介します。
フィリピンの人口は現在、約1億人で人口の9割がキリスト教徒と言われています。
その中でイスラム教徒の割合は5%〜10%ほどと言われ、特にミンダナオ島の南部に多くのイスラム教徒が暮らしています。
ミンダナオ島になぜイスラム教徒が多いのか
ミンダナオ島に住むイスラム教徒は人口の2割ほどおり、他のフィリピンの地区と比べても多いです。
なぜミンダナオ島にイスラム教徒が多いかというと、 もともとフィリピン自体は近隣のインドネシアやマレーシアのようにイスラム教の国だったのですが、スペインの植民地支配の影響により多くの国民がキリスト教(カトリック)への改宗をし、それに抵抗したものがミンダナオ島に移り抵抗したからという歴史があります。
ミンダナオ島で暮らすイスラム教徒は主に下記の地域で暮らしています。
・イスラム教徒ミンダナオ自治地域
・サンボアンガ半島地方
外務省の海外安全ページではレベル3の地域(渡航中止勧告)になっています。
イスラム教徒ミンダナオ自治地域はフィリピン国内でも貧しい地域なのですが、そこにイスラムの過激派テロ組織がやってきて、政府と戦闘を繰り広げているのです。
(2017年6月にはマラウィ市を占拠している過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力を掃討するために政府は空爆を開始しました。)
イスラムの過激派については、ミンダナオ島に住む他のイスラム教徒の人々も「同じイスラム教徒なのに理解できない」怒っているそうです。
マニラ首都圏最大のゴールデンモスク
もちろんミンダナオ島以外にもフィリピンに住んでいるイスラム教徒はおり、観光地として有名なゴールデンモスクの側にはたくさんのイスラム教徒が住んでいます。 このゴールデンモスクは毎週金曜日の集団礼拝では満員となり、最大3,000名までの礼拝者を収容することが可能だそうです。
場所はマニラ市キアポにあり、この周辺の地域にはイスラム教徒が暮らしています。 フィリピンのイスラム教徒も住む場所や区域は違えど、他のキリスト教徒のフィリピン人と同様、陽気で朗らかで、ミンダナオ島でテロが起こっているからといって恐れる必要はありません。女性はジルバブというスカーフをしっかり身にまとっています。
まとめ
フィリピンのイスラム教徒といえば、真っ先にミンダナオ島の過激派を思い浮かべますが、フィリピンにも隣国インドネシアやマレーシアのような純粋なイスラム教徒が暮らしており、普通に生活しています。 しかし、フィリピン国内でも近年テロが増えてきて、イスラム教徒に対する視線も厳しくなってきているのが現状です。 さらにイスラム教徒とキリスト教徒は交流すること自体が少ないので、その傾向は強まるばかりであるといいます。 イスラム国が出てきてからますます、フィリピン国内、特に南部ミンダナオ島では注意は必要ですが、多くのフィリピンのイスラム教徒は普通のフィリピン人です。